【これから事業を始める方必見】個人or法人どっちがいいの?メリットデメリットを解説!

「自分で事業を起こしたい」と考えたときに、まずは「個人事業主として」か「法人として」創業するのかについて決める必要があります。どちらの形でも「事業を起こす」ことには変わりありませんが、個人か法人かで受けられる待遇や税制度などは変わるものです。

そこで今回は、「創業するなら個人か法人か」について、それぞれのメリット・デメリットを解説します。自分はどの形態で創業すればいいのか、と疑問に思っている方に向けて「法人で創業する目安」も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

個人事業主として創業する場合

個人事業主として創業する場合

「個人事業主」とは、個人で事業を行っている人のことをいいます。ちなみに、同じ意味合いで「フリーランス」という言葉が使われることがありますが、個人事業主は税務署に開業届を出している個人の事業者のこと。一方、開業届を提出していない個人の事業者のことを「フリーランス」といいます。

メリット

個人事業主として開業することのメリットは、「手続きが簡単」という点です。税務署に開業届を提出すれば、すぐに開業することが可能。廃業するときも届け出を提出するだけで、開業・廃業ともに手続き費用が発生することはありません。また、毎年行う確定申告も経理ソフトを使えば、簿記の専門知識がなくても申告書を作成することができます。一人で小さく事業を始めたいというときには、まずは個人事業主として開業するのがおすすめです。

デメリット

一方、個人事業主として開業することのデメリットは、「社会的信用度が低い」という点です。簡単に事業を始められるというメリットがある反面、法人と比べると取引先からの信用度は低く銀行での融資審査も厳しくなる傾向があります。中には「法人としか契約しない」という取引先もあるため、「融資を受けて大きな事業を手がけたい」「顧客の幅を広げたい」という場合は法人化を検討するのもいいでしょう。

法人として創業する場合

法人として創業する場合

「法人」とは、法律によって人と同じような権利や義務を認められた存在のことをいいます。それぞれの活動目的によって分類が異なり、NPO法人、一般社団法人など利益追求を目的としない「公法人」や、株式会社や合同会社のように利益追求を目的とする「私法人」に分けられます。

メリット

法人は「登記が必要」「貸借対照表などの財務書類の公開義務がある」「代表者が死亡しても事業は残る」などの観点から、個人事業主よりも社会的信用度が高いといわれています。また、自分の給与や退職金、生命保険も経費に計上できるなど、経費として認められる範囲が広いのが特徴。赤字(繰越欠損金)の繰越期間は10年と、3年しかない個人事業主よりも7年長い点もメリットの一つです。

デメリット

法人として事業を起こすときのデメリットは、会社設立のためのコストがかかる点です。設立時に公証人の手数料5万円と、登録免許税15万円の20万円に資本金(1円〜)がかかるため、最低限20万は必要になります。また、法人は毎年法人税申告書の提出が必須。この書類は専門知識がなければ作成が難しく、税理士を雇うとなると税理士報酬の支払いが発生します。そのほか社会保険の加入義務、赤字でも数万円の法人住民税の均等割額が課税されるなど、個人事業主のときには必要なかったお金を払わなければいけません。

法人として創業するときの目安

法人として創業するときの目安

個人事業主か、法人で創業するか悩んだときは以下の点を考えてみましょう。

・事業資金を用意できるか
・銀行から融資を受けて大きな事業を始めたいか
・会社を設立しないと認可が下りない事業を創業したいか(ヘルパー介護やデイサービス、介護用品レンタルサービス業など)
・法人としか契約しないような大きな企業とも取引したいか

もし上記の項目に当てはまるのなら、法人として創業することを考えてみてはいかがでしょうか。

また、個人事業主と法人では課税される税金の税率も異なります。個人事業主は、5%から45%までの7段階の「累進課税制度」が採用されており、所得が多ければ多いほど税金も増える仕組みになっています。一方、法人は、規模や課税所得に税率が2種類に分かれている「比例税率制度」を採用。普通法人の場合、年間所得800万円以下は15%、年間所得800万円超の部分は23.4%と定められています。

最初は個人事業主として開業していても、年間所得が500万から800万くらいになるのであれば、法人化した方が節税になる可能性もあります。個人事業主から法人化することも可能なので、まずは個人事業主として創業してみるのも一つの方法です。

まとめ

事業を始めるときに、個人事業主として開業するか、法人を設立するかで迷うこともあるかと思います。どちらにもメリット、デメリットがあるので、自分がやりたい事業の方向性をよく考えて選ぶようにしましょう。またリスクを避けたいのであれば、まずは個人事業主として開業して、そのあと事業が軌道に乗ったら法人化するという方法も可能です。

次回からは、実際に創業するときに必要な手続きについて解説します!

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